多分、高校生の頃。
平屋だった古い家を建て壊して新しい2階建ての
家になった。
隠居と畑があった敷地に白い大きな家が建った。
私の部屋は二階の三部屋並んだ真ん中の部屋。
扉を出ると狭い廊下があって右横はすぐに階段があった。
夏の晩は暑いので扉は開けて眠っていた。
真夜中に目覚めるという事はなかったのにその日はなぜかふと、目が覚めた。
ねぼけた眼をして何気に開け放たれた扉をみると何か白いものが立っていた。
寝ぼけている・・と思って目をこする。
じっと眼を凝らしてみるとその白いものは何か煙のような感じで、
じっくり見ると人型をしていた。
中年太りの男の人のようなシルエット。
扉に佇んでいる・・・・。
その時は恐怖は一切なかった。
「白い・・・・人だ。」
ぼんやりとそんな事を思っていたのを憶えている。
白い煙のような霧のようなもので出来た白いおじさん。
そんな時は不思議なもので言葉がなくてもその気配で何となくその存在のキャラクターみたいなのが解る。
おじさんは穏やかな雰囲気で少しそこに立っていたが綺麗に幻覚が消えるように闇になくなっていった。
何かのアトラクションを見るような感覚だった。
微粒子がいっぱい漂っていた白い煙が闇に吸い込まれて いったように見えた。
後々にそれがもしかたしたらエクトプラズムとかいう
人魂みたいな霊魂の一種にとても
似ていたなぁと 思い出す。
全然怖くなかったし、もしかしたら身内っぽい気もしないでもない。
おじさんはそれきりもう私の前には姿を 現わさない。
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