吉祥天女 序章--
ふと、感じないだろうか・・・。
自分が「ここ」に存在する以前、
遥か昔、自分がいた場所の事を。
ラクシュミーはそんなどうしようもなく
切ない思い出をおぼろげながらも
憶えている数少ない一人だった。
忘れる事がこの世に降誕する罪なのか、
幸いなのかは解らないけれど、
それはとても懐かしく
暖かくて優しいものであるから
どちらにしてもラクシュミーは憶えている事を
こよなく幸せだと感じていた。
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